マダガスカルへの挑戦その6
ようやく、ようやく、カカオ農家さんに会える日が来ました。日本を出発して今日で4日目になります。
農園に辿り着くまで「片道4日」というのは、過去最長記録です。
マダガスカルの「道路事情」は、一般国道のような幹線道路以外の整備がかなり遅れています。
上の写真のような道はまだ良くて、本当にひどい…
農家さんの元へ辿り着くのに、片道4時間かかります。
車のスピードメーターを見ていると・・・、時速10キロ、でていません…
恐ろしくスローペースで、ものすごいガタガタ道、斜まった道を進みます。
道路が舗装されていないので、むき出しの赤土の道を進むのですが、雨季ともなると、雨上がりの道は、窪んだ箇所は全て大きな「水溜り」いや、小規模な池?というくらいの状況に…
もちろん、土はぬかるんでいるので、車がスタックしようものなら、タイヤがスリップして脱出が困難になります。
ガタガタのひどい道にさしかかると、もはや写真は撮る余裕などありません。
本当にすごい道でした(*_*)…
4時間かけて1件目の農家さんにやっと到着です。
ちょうど「サンビラーノ川」の向こう岸に農園があるため、川沿いに一旦車を停めて渡し舟で川を渡ります。
小さな少年が、渡し船を運んできてくれました。たくましい少年です。
マダガスカルカカオです!
やっと会えた!
とても良い実です!
発酵段階を終え、乾燥作業中のカカオ豆です。
実際に、発酵、乾燥具合を豆をカットして調べます。
その後、サンビラーノ川沿いに点在する多くの農園を訪れました。
テオブロマ土屋シェフの進めている「マダガスカルプロジェクト」は、マダガスカルのサンビラーノ農業・零細農家開発協会(ADASP)と協働して、サンビラーノ地域のカカオ農家さんを対象にテオブロマが研修を行い、「アグロフォレストリー農法」と「カカオ加工技術(発酵、乾燥、選別など)」をマダガスカルの多くのカカオ農家さんの間に普及させることで、カカオの品質向上と零細農家さんの収穫量の増大を図りカカオ農家さんの生活向上を目指すものです。
「アグロフォレストリー農法」とは、樹木を植栽して、樹間にて農作物を栽培する農林業ですが、この農法の普及による自然環境の回復も目指していきます。
今回、多くのカカオ農家さんにお会いしましたが、課題も多くあることがわかりました。
マダガスカルに限らずどの国のカカオ農家さんにも言えることですが、間違いなく共通している点が「輸送に使う道路の状況がとても悪い」ということ。そのため収穫した作物を新鮮なうちに運ぶことができないのです。もちろん、問題はそれだけではありません。正に「山積み」です。
せっかく素晴らしいカカオを作っていても、それを世の中に紹介するための障害が多すぎる…
「無力な自分」を猛烈に実感する瞬間です。
しかし、とにかくあきらめずに「少しずつでも、積み上げていくこと」が大事なんだと思います。
気の遠くなる話ですが、少しずつ。
つづく